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マージン取引の基礎知識

Lesson 1 of 3

Duration 7:45

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株式のマージン取引(株式信用取引)では、証券会社に対して差し入れる一定の保証金がお客様の口座に必要です。そのうえで、投資する際は、差し入れた保証金を担保に証券会社から資金の一部を借り入れて行うのが典型的な取引になります。

たとえば、100ドル相当の株式を信用取引で購入する場合、投資家は通常、50ドルを支払い、残りの50ドルを証券会社から借り入れます。

先物

先物のマージン取引(証拠金取引)は、株式の信用取引とは異なります。先物契約を売買する際、証券会社から資金を借りるわけではありません。その代わり、投資家の口座にある現金は投資期間を通じた担保とするためにブローカー(証券会社等)によって拘束されます。

担保の最低額は、先物契約が取引される取引所によって設定されますが、ブローカーは取引を保証するために追加の担保を求める場合があります。先物の証拠金は、市場が顧客のポジションに不利な方向に動いた場合の潜在的な損失に備えるクッションと考えることができます。

株式の購入には証券会社からの融資を伴う現金が使われます。一方、先物、個別株先物、株式オプションなどその他の商品では、顧客口座から確保される現金は、市場が不利に動いた際に必然的に生じる損失を吸収するための担保とされます。

借入れできるかどうか、どれだけ借りられるかは、証券会社が従う規制上の計算方法によって決まります。計算方法には、ルールベース(規制基準)とリスクベース(リスク基準)の二つの方式があります。

ルールベース方式

ルールベースの場合は何らかの規制機関による監督を伴います。その役割は、投資家が口座内で行える取引に関するルール、およびそのルールの適用方法を定めることです。これらのルールは、ポートフォリオの分散という考え方にかかわらず、一律に適用されます。ルールベース方式は一般に定式的であり、時価に対して一定の比率を適用して所要額が決定されます。

リスクベース方式

リスクベースの場合は、投資家のポートフォリオをより広い視野でとらえて所要額を算出します。すなわち、個々の株式のリスクだけでなく、ポートフォリオ全体という観点から見た株式の総合的なリスクを考慮します。リスクベースの計算は想定される最悪のシナリオのシミュレーションに基づいて算出されるため、市場リスクを分散によって完全に排除することはできませんが、異なる業種やセクターへ分散投資したり、ロングとショートのポジションを組み合わせることで、ポートフォリオのリスクを低減することができます。

ルールベース方式はポジションごとに保証金が必要で、ポートフォリオの分散効果が反映されないため、保証金所要額はリスクベースの計算よりも高くなる可能性があります。

規制

米国には2つの監督制度があり、それぞれ独自の規制機関があります。すなわち、証券取引委員会(SEC)は証券市場を、商品先物取引委員会(CFTC)は先物市場をそれぞれ監督します。

米国の証券信用取引 — 米国の証券市場はSECによって規制されており、リスクベースとルールベース両方の口座タイプが認められています。

  • ルールベースの場合、連邦準備制度理事会(FRB)がレギュレーションT(Reg T)を定めており、そのルールの下で投資家は保有株式の価値の50%を支払い、残りの50%を証券会社から借りることができます。
  • たとえば、ABC社の株式を10,000ドル分購入しようとする投資家は、5,000ドルを自己負担し、残りの5,000ドルを証券会社から借り入れます。当初保証金の概念の基礎にこの考え方があり、他方、維持保証金はポジションを維持するために最低限保持しなければならない額を意味します。その際、投資家は購入した有価証券の価値の少なくとも25%を口座内に保持する必要があります。また、保有株式の価値が下落した場合、顧客は通常、証券会社から最低所要額まで現金を追加するよう求められます。

一方、リスクベースでは、証券会社はポートフォリオ全体から証拠金(保証金)の所要額(ポートフォリオ・マージン)を判断します。

  • 多くの場合、損失の発生確率は分散投資によって低減するため、所要額はReg Tの場合より低くなる可能性があります。株式、ETF、オプション、債券など異なる資産クラスのポジションを含むポートフォリオ全体の価値を踏まえることで、投資家および証券会社にとってのリスクが軽減されるためです。
    • リスクベース方式では、たとえばABC社の株式を保有する投資家は相当額のプットオプションを保有することで一部のリスクをヘッジすることができます。この場合、ポートフォリオ全体からみた証拠金(保証金)の所要額はルールベースの場合よりも低くなる可能性があります。

米国の先物証拠金取引 – 米国の先物証拠金はリスクベース方式により、取引所によって所要額が定められます。その際、投資家は証券会社から資金を借り入れるのではなく、担保という形をとります。

したがって、ポジションが建っている間は、投資家はその担保を利用することはできません。

たとえば、原油価格の上昇を見込む投資家が原油先物契約を購入ことを決めたとします。1,000バレルの原油を対象とする原油先物契約1枚に対し、当初証拠金として10,000ドルが必要なケースで、未決済ポジションは毎日時価評価されます。もし投資の価値が上昇すれば投資家の口座に入金処理され、先物契約の価値が下落すれば未実現損失が口座から引き落されます。

先物取引業者(証券会社)は、先物契約が取引される取引所の定める最低額以上の担保または証拠金を顧客から確保するだけでなく、自ら設定するそれ以上の額を確保する権利を有しています。なお、米国の先物証拠金取引はリスクベース方式が採られており、所要額は一般に取引所が決定します。

米国以外の証拠金取引 – 米国外の規制体制は米国とは異なる面があります。米国では証券取引においてルールベースとリスクベースの双方が認められているのに対し、多くの国・地域では先物・オプション・CFDといったデリバティブ取引の証拠金についてはリスクベース方式が採用されています。(なお、株式の信用取引については、日本の制度信用取引のようにルールベース的な規制が設けられている国もあります。)

インタラクティブ・ブローカーズは米国に本社を置いていますが、世界中の取引所でグローバルな市場へのアクセスを顧客に提供してします。その際、現地の要件に加え、米国のクリアリングブローカーとして米国の要件を優先適用することが求められる場合があります。

米国以外の多くの国では、証券と先物を別々の機関ではなく、単一の機関が監督しています。

差金決済取引(CFD)は株式に近い取引ですが、先物と同様に扱われるため、担保の差し入れが必要となります。

以下のレッスンでは、取引を発注する前に予想される証拠金(保証金)への影響を確認する方法と、個々のポジションおよびポートフォリオ全体における証拠金の状況を確認する方法を解説します。このコースを終えると、証拠金についての理解が深まるとともに、トレーダー・ワークステーション(TWS)とIBKRモバイルの両取引アプリで証拠金状況をモニタリングする方法を習得することができます。

信用取引の概要

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